ワイン初心者のためのワインがわかるナビゲートサイト

ワイン初心者の扉

ワイン初心者向け記事 有名ワイン

【専門家と選ぶ】今注目の南アフリカワイン おすすめ銘柄まとめ

投稿日:

 

いまひそかなブームの「南アフリカ産のワイン」とは

昨今、ワインマニアの中で話題になっているワイン産地があります。

それが「南アフリカ産のワイン」です。

みなさん南アフリカのワインと聞くとどういうイメージをもたれるでしょうか。
暑い地域で…砂漠を象なんかがが走っていて…そんな所で作られるワイン…?たとえば…濃そうな味で…

違うんです!!!!

今回は、調べれば調べるほど面白い、さまざまな可能性を秘めた、南アフリカワインを
「南アフリカのワイン」について知るべき事
として解説をしたいと思います。

 

南アフリカのおすすめワイン銘柄をすぐに知りたい人は

この記事の下の方までスクロールいただくか、以下のリンクからジャンプしてください(記事の中の該当部分にジャンプします)

⇒専門家と選ぶ!南アフリカのおすすめワイン銘柄

 

 

なぜ近年「南アフリカ産のワイン」が注目されているか??

どうもワイルド・野性的な印象がある南アフリカですが、実際は観光地としても極めて近代的な国ということはご存知でしょうか。

首都ケープタウンは、世界の観光名所の上位にランク付けされている美しく近代的な都市です。そして、ワイン造りの歴史や、土地としての環境も、南アフリカにはワイン造りにも向いている要素が多々あるのです。

 

南アフリカのワインが美味しい理由:ワイン造りに向いた気候


引用:アフリカの旅 | 近畿日本ツーリスト

南アフリカのワインは1992年~2012年の20年間でその輸出量を20倍にまで拡大しているようです。

南アフリカの気候は日照時間が長く、穏やかで涼しい気候となります。首都ケープタウンの最高気温が30度を超えることは少なく、さらに寒暖差は東京よりも小さく、過ごしやすい気候です。アフリカ大陸最南端のため、むしろ南極に近く、涼しいわけですね。

夏は乾燥しており、冬は雨がしっかり降る。
これはワインづくりとしては恵まれた、適した環境と言われています


引用:http://www.cluver.com/photo-gallery/vineyard

また、海から来る風がミネラルを陸地にもってきて、葡萄はその環境下で育ちます。

涼しい気候なども味方し、仕上がるワインとしては
・エレガントな酸味
・しっかりした果実味
の両立が出来ている産地です

 

 

南アフリカのワインが美味しい理由:無名なためコスパが高い

ほとんどが、その品質に対して安く手に入れる事が出来ます。つまりコスパが良い。

2,000円台の南アフリカワイン一つをとっても「倍の値段のものに匹敵するのでは…」感じるのはザラです。

理由は単純で人件費がまだまだ安いためです。恵まれた気候から生み出される品質に対して、値段が全体的にリーズナブルな生産国になるのです。

 

 

実は南アフリカはワイン造りの歴史が長い国である

 

実は南アフリカはワイン造りの歴史が長く、ワイン造りが南アフリカで始まったのはおよそ350年前といわれます。

 

その発祥はヨーロッパの国々の大航海時代にさかのぼります。もともと南アフリカは、フランスからアジア諸国までの貿易の中継地点として南アフリカは使われていました。貿易の理由は、主にヨーロッパからアジア圏に香辛料などを貿易していたといわれています。この際に、フランス・ユグノー派の移民の文化が定着し、ワイン造りの文化の発展に影響をもたらしたといわれています。

 

 

南アフリカのワインの歴史は長い分、ワインに関する逸話も見て取れます。こちらの「ヴァン・ド・コンスタンス」という甘口ワインは、17世紀の英雄である皇帝ナポレオンが死の間際に欲した、とされる南アフリカのワインです。

とろけるような甘口のワインです。南アフリカで歴史・名実ともにあるワインの一つと言ってよいでしょう。

 

その後、アパルトヘイトなどの人権迫害もあり、一時ワイン産業の発展は停滞。

1990年にネルソン・マンデラ大統領によりアパルトヘイト撤廃後、諸外国からも新しい生産者が多く増え、市場で急速な伸びを見せてきたと言われています。

よって、南アフリカワインが改めて注目されたのは、「新しい生産者が増えたここ20年ほど」、と言われています。

 

どことなくフランスワインのような上品な味わいと、アメリカのワインのような力強さを感じるものが多く作られています。

チリ産などの「安くて・果実味しっかり」のワインがワイン業界では主要となり、依然として人気が高い位置にありますが、南アフリカワインは「安くて・気品もある」路線と感じます。

 

 

3.新しい生産者のワインが日本にどんどん輸入されている

前述した「新しい・若手生産者」の南アフリカのワインが日本にもどんどんと入ってきています。

 

日本にも優れた輸入業者が多くあり、その力のたまもの。南アフリカ現地で注目されているワインをリアルタイムで飲むことができます。ぜひこれらのワインも意識的に試してみたいところです。

 

4.南アフリカは自然も意識した「倫理観」を持ったワイン産地である

簡単に言うと…ワイン生産者には「自然を守る」ことが義務付けられている!!


引用:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』植物相

また、南アフリカのケープタウンは「ケープ植物区系界 South African Kingdom」と言われ世界を6つの植物区系に分けたうちの一つとされています。

つまり植物や花の楽園と言えると言う事です。

image

ワインづくりにおいて、その植物系を守る事を目的として、
南アフリカのワインのラベルには
・自然環境の保護
・産業の発展
を目的としたシールが貼られ、それらに生かされています。


引用:人と自然に優しいワイン造り | 南アフリカワインとは|MASUDA South African WINE

 

また、新しくワイン造りの葡萄畑を開墾する際は、同時にフィンボス(南アフリカ土着の植物)を同じ敷地面積植えないといけない、というルール作りがされているようです。ワインを作るならば自然の植物も増やせ、ということですね。

南アフリカワインの発展が自然と産業を支えていると考えると、
よりポジティブに楽しむ事が出来るのではないでしょうか。

 

 

 

ソムリエ&専門家と選ぶ「南アフリカワイン」のおすすめ銘柄とは

ここでは現役ソムリエかつ南アフリカワイン専門家の方にご協力・監修をいただきます。

おすすめワインの選出については、まずはワインマニアの筆者。そして現役のソムリエにご協力をいただき、おすすめポイントをまとめさせていただきました。しかもそのソムリエさんは、近年注目の南アフリカ産のワインに特化した専門家のソムリエさんです。

 

*なお、ショップリンクでは監修ソムリエ在籍のお店の販売ページへのリンクを張っています。合わせて楽天市場のリンクも掲載していますのでご参考ください。

 

まずは2千円~5千円以下で「白ワイン」を選べ!!

南アフリカワインで特に優れているのは、白ワインに多く見られるように思います。

南アフリカで独自の発展を遂げているシュナンブラン種を使ったワインが特に種類が豊富。ほかシャルドネ種などを使ったワインも優れたものが多く見受けられます。

一方で、南アフリカの土着品種と呼ばれる、主に赤ワインに使われる「ピノタージュ種」については、一部の生産者を除きまだまだ発展途上の感覚があります。

 

南アフリカワインはまず白ワインから!

これを覚えておくと良いと思います。

 

また、価格についてはどうでしょうか。

筆者が最も注目しているのは2千円台~5千円の価格帯のワインです。1万円級のものはまだ買う必要ありません。さらに、選択肢として、千円以下のワインについては、優先度を低く持ってください。なぜならば、千円以下のワインはチリやスペイン産のワインが非常に充実しているためです。南アフリカワインでもおいしいものは一握り。

仮に千円ちょっとの南アフリカワインを買ってきたとしても、その真価はほとんど見えていないといっても過言ではないでしょう。

 

そのため、南アフリカのおすすめワインは

まず2~5千円以下から選んでみよう

まずは「白ワイン」から攻めてみよう

この2点をもとに、まずは白ワインから南アフリカのおすすめワインのご紹介をしたいと思います。

 

 

専門家と選ぶ南アフリカのおすすめワイン「ポールクルーバー シャルドネ」

南アフリカを代表する白ワイン生産者。高級ワイン顔負けの品質。

まず、南アフリカワインを語るうえで外せないのがこちらの辛口白ワイン。

2千円台で購入が可能な南アフリカワインですが、その香りと味わいは高級ワインに匹敵。

目を見張るべきは理想的な香りと味わいのバランスをもっていること。

リンゴのような香り、ナッツのような樽の香りなどが混在しており、ボリューム感を感じます。口に含むと酸味もしっかりとあり、飲みつかれないのもポイント。

このポールクルーバーシャルドネは南アフリカの中でも特にコスパの良いワインの一つ。

・ボリューム感

・酸の美しさ

この2点がきわめて統率が取れています。南アフリカワインの中でも「ベストバイ」といえるべきワインで、このポールクルーバーのシャルドネを起点に他のワインに発展していくのが良いと思います。一度は手に取りましょう。

 

ソムリエのおすすめポイント

グレープフルーツ、レモン、蜂蜜、樽香やフレッシュな酸などの香りがします。口に含むと柑橘系の果実のような味わいや柔らかいミネラル感、綺麗な酸、樽香やとろっとした甘味を感じます。辛口ですっきりとした白ワインではありますが、ほんのり香る果実の甘さや樽などがこのワインの複雑さと厚みを出しています。優しく、上品に仕上がったワイン!さすがポールクルーバー!と思わせてくれるような一本です!

 

専門家と選ぶ南アフリカワインのおすすめ「アルヘイト・カルトロジー」

ジャケ買い筆頭格!南アフリカの新しい風、手掛ける高品質白。

5千円程度の白ワインですが、とにかくラベルがカッコいい。それもそのはず、前述の南アフリカの若手生産者が手掛ける白ワインです。

 

特徴的なのはぶどうの樹の樹齢が高いものを選定しているところ。これは「古木プロジェクト」と名付けられ、ブドウの年齢が高い=根っこが長く、地中の色々な成分が葡萄に反映されるのでは?と期待を込めて手掛けられているワインです。

見た目だけではなく香りと味わいも素晴らしく、桃やマーマレードのような温かい果実の香りが感じられ、味わいにも凝縮感を感じます。

「白ワインはすっきり薄いもの」という先入観を吹き飛ばす、密度を感じる南フリカのおすすめ白ワインです。

 

ソムリエのおすすめポイント

アルヘイト カルトロジーというワイン。 是非、味わっていただきたい逸品です!!
非常に綺麗で透明感のあるミネラルや酸、そして果実がバランスよくまとまっています。樽のニュアンスは感じつつも、上品で繊細。深みのある味わいです。

 

 

 

次に注目すべきは南アフリカの「極甘口」ワイン!

この記事で記載しているワインは、原則「辛口」ですが、ワイン初心者の方や普段ワインを飲まない方に向けて甘口のワインもご紹介しましょう。

というのも、白ワインに続いて注目されるべきは、南アフリカの「極甘口」ワインです。これらはデザートワインと呼ばれるジャンルでシロップのように甘い味わいのワインです。

貴腐ワイン、ストローワインなど様々な製法に区分され、この記事をご覧の方もほかの国の産地で聞いたことはあるという方が多いでしょう。

 

この記事で前述した通り、17世紀の英雄である皇帝ナポレオンが死の間際に欲した、とされる南アフリカのワイン「ヴァン・ド・コンスタンス」はこの南アフリカを代表する極甘口ワインです。

この銘柄に限らず、南アフリカの各ワイナリーは、極甘口ワインについて品質が高いものが多く見受けられます。他国産地に負けず、かつリーズナブルなものが多いのが特徴です。南アフリカのおすすめの極甘口ワインをご紹介いたしましょう。

 

 

専門家と選ぶ南アフリカワインのおすすめ甘口ワイン「ラステンバーグ ストローワイン」

甘いトロピカルフルーツを集めたよう!初心者安心のとろける甘口ワイン

 

300年を超える歴史をもつ、南アフリカステレンボッシュ地区にあるワイナリー「ラステンバーグ」のデザートワインです。

桃ジュースのブランド「ネクター」をさらに濃縮したようなイメージとお考え下さい。甘く濃厚で、フルーツの果汁をたくさん混ぜたような味わいがします。その分、お料理というよりは例えばチーズやドライフルーツなどのおつまみとぴったり。

 

まずこのワインをお勧めしたい理由は、ハーフボトル(375ml)で2千円台と比較的リーズナブルなことです。

極甘口ワインは濃縮したような甘さから、白ワイン、赤ワインの半分の大きさ、つまりハーフボトルで販売されていることが多くあります。小さいながらも満足度はしっかりありますのでご安心を。

女子会やワインを飲みなれない方との集まりなどで活躍すること間違いありません。

 

また、こちらはコルク栓ではなく、スクリューキャップと呼ばれる手で開けることができるワイン栓を採用しています。

うっかり「ワインを開ける道具(ソムリエナイフ)がない!」ということはありませんので、持ち込みなどでも活躍しますね。

 

ソムリエのおすすめポイント

フレッシュで優しい酸味と濃厚な甘みのバランスが良く、美味しく飲みやすいように仕上がっています。2017年ヴィンテージも良く、熟成のポテンシャルがあります。ブルーチーズ、バニラアイス、チーズケーキ、フルーツタルトなど。そのまま飲んでも、氷を浮かべても、「大人のカキ氷」のようなシロップとして、辛口のスパークリングと混ぜて飲んでも楽しめます。

 

 

 

専門家と選ぶ南アフリカワインのおすすめ甘口ワイン「ポールクルーバー ノーブルレイトハーベスト」

 

見た目も◎!甘さと合わせ、美しい酸に裏打ちされたきれいな味わいの甘口ワイン。

 

こちらは記事の白ワインのコーナーでもご紹介した「ポールクルーバー」社の極甘口ワインです。南アフリカのワインでポールクルーバー社は超名門の一つ。価格と品質のバランスが非常に良いのでぜひとも覚えておきましょう。

 

さて、こちらの極甘口ワインは、ボトルの見た目がきれいです。

甘さがあり、パイナップルやアプリコット(あんず)など、どちらかというとほのかに酸を感じるのが特徴。

「酸」というと酸っぱいイメージから、抵抗感がある方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではなく南アフリカのポールクルーバー社の酸は「飲み飽きずに飲める、ちょうどよい味のメリハリ」があります。

つまり、飲み始めるといつの間にかなくなってしまう、飽きない味わいのバランス。

価格帯は3千円台とこれも手が出ない範囲ではありません。

 

先の「ポールクルーバー シャルドネ」と合わせて、こちらのデザートワインである「ノーブルレイトハーベスト」を楽しむと、あっという間にこのワイナリーのとりこになることでしょう。

 

ソムリエのおすすめポイント

かりん酒や梅酒、桃シロップ、甘夏など甘いだけの香りではなく、ほのかに苦みの要素やアルコール感など大人の香りを感じます。桃のニュアンスや梅酒や樽香などがあり、落ち着いた甘さ。ただ甘いだけでは終わらず蜂蜜漬けのグレープフルーツやしっかりとした酸味を感じ、後味はすっきりとした味わいです。余韻も長いです。

 

 

 

メディアでも掲載歴あり!南アフリカワインがアツい!

南アフリカワインの中でも「何かの雑誌に取り上げられた」「特集された」などの話題を参考にされる方も多いでしょう。

そこでここではメディア掲載されたおすすめの南アフリカワインをご紹介したいと思います。

 

 

日経新聞の特集で選ばれたスパークリングワイン「グラハムベック ブランドブラン」

ビジネスマンご用達の「日本経済新聞」では、土曜日にプラスワンという特集コーナーを作っています。

その中で、「ワインの新興産地、スパークリングワイン特集」という趣旨の企画が組まれ、そこで1位を獲得したのが南アフリカワインです。

ワインの名前はグラハムベック ブランドブラン *1です。

*1:掲載ヴィンテージは2011年。現在は異なるヴィンテージが販売されています。

 

 

うれしいのは価格が2千円台で購入可能な点。熟したリンゴのような少し濃い味わいが楽しめるおすすめのワインです。

特別な時というよりは、週末くらいに開けたい気軽さがある点が魅力です。

ソムリエのおすすめポイント

このグラハム・ベック ブラン・ド・ブランは、2011年ヴィンテージは、「日経プラスワン」の「何でもランキング企画」で、フランスワインや他国産ワインを抑えて堂々の第1位になり、また、英国ワイン評論家のティムアトキン氏は、2013年ヴィンテージの評価を94点とし、かなりの高得点を獲得している等の非常に実績/実力のあるワインです!!

 

 

日経新聞の特集で選ばれた白ワイン「ボーモンホープ マルゲリート シュナンブラン」

 

こちらも同様に日経新聞電子版より。

ソムリエ、ワインジャーナリストを含む専門家が推薦するワイン1位として南アフリカのワインが選ばれました。

おすすめされたワインの名前はボーモンホープマルゲリート シュナンブラン *2です。

*2掲載のヴィンテージ(年号)は2012年でした。現在は異なるヴィンテージ(年号)を販売しています。

 

ハチミツや柑橘のような香りが感じられます。酸味も比較的おだやか。あまり難しい味わいのワインではないと個人的には感じています。

お値段は少し張りますが、ワイン初心者の方にもおすすめしたいワインの一つです。

ソムリエのおすすめポイント

南アフリカにはいくつかの素晴らしいシュナン・ブランがありますが、このクオリティで3,000円は凄い!!と思いました。
樹齢40年の古木から生み出される凝縮した果実の味わい。樽のニュアンスも程よく効いておりますが、そのバランス感は、まさに絶妙!!!!それでいてそれぞれの要素もハッキリとしていて、リンゴ、シトラス、レモンのような香り、柑橘系のピュアな果実味、しっかりとした綺麗な酸、そして程よくしっかりとした樽の風味、長い余韻、様々な味わいが次々に感じられる素晴らしい逸品です!!

 

 

 

英国のブランドテイスティングで1位になった南アフリカのスパークリングワイン

イギリスで2015年に開催されたブラインドテイスティングコンテストである、「世界スパークリング・ワイン・チャレンジ」という品評会でも南アフリカワインが評価されたことがあります。

ブラインドテイスティング、とは、銘柄を見ずに複数用意されたワインを文字通りブラインド(目隠し)で試飲し、その優劣を競うコンテストです。

用意されたスパークリングワインの主たるものは、1万5千円~2万円クラスの、ドンペリの愛称で知られるドンペリニョン、国内では2万円の価格に到達する「クリスタル」など名だたるフランスのシャンパンです。

イギリスでの開催ともあり、この品評会には近年、品質を上げているイギリスのスパークリングワインなどが「伏兵」として用意されていました。おそらく裏のテーマとしてはイギリスのワインを押し上げる為の内容だったと推察しています。


Who’s blushing now?! Stellenrust sparkler comes out on top against the odds

しかし、この品評会で1位になったのは南アフリカの2千円台のワインです

名だたるフランスの高級シャンパンやイギリスの高品質スパークリングワインをおさえ、南アフリカのワインが1位に。

これは「Shock Result(衝撃の結果)」と報じられました

 

 

ステレンラストMCCスパークリングワインがその銘柄。サーモンピンク色でこちらもかなり親しみやすいロゼスパークリングワインです。

高級ワインよりおいしい!というよりは筆者としては「親しみやすさ、キャッチーさ」を感じるワインでおすすめです。

 

世界のワイン評論家も、注目の南アフリカワインの品質

イギリスの世界的なワイン評論家であり、世界400名程度のワインの博士号ともいえる「マスターオブワイン(MW)」の資格を持つ、ジャンシス・ロビンソンMWの記事では「実質的にすべての南アフリカのワインは世界のどこよりもコストが安い。」としています。

だが、もし品質に比較して低価格である白ワインの包括的な推薦をと聞かれたら、私は常に南アフリカを挙げる。これは最近のランドの下落より前からである。実質的にすべての南アフリカのワインは世界のどこよりもコストが安い。赤はかなり洗練されてきているが私は長いこと白のファンである。

参考:ジャンシスロビンソンMW日本語翻訳記事「ワインの節約術 12 Mar 2016」 - ヴィニクエスト

 

南アフリカワインの品質はあの恥ずべきアパルトヘイト時代のものですら世界で恥ずべき品質ではなかったし、若い世代の醸造家が世界を訪れたり海外のワイン産地からの頻繁な来訪者からあらゆることを学んだりすることで、その品質は日々向上し続けている
「ヴィニクエト」訳ジャンシス・ロビンソン著”なぜ南アフリカは過小評価されるのか?”より引用

 

いつか飲みたい!おすすめの南アフリカワインの高級ワインとは

そんなに南アフリカワインが良い、というならば、いっそのこと南アフリカワインの中でも、高級ワインを飲んでみたい。

そのようなワインラヴァーの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでここでは、南アフリカワインの中でも特に美味しい・名門・高級ワインと呼ばれるものをご紹介します

 

ブーケンハーツクルーフ7つの椅子のラベル シラー

 

7つの椅子のラベル シラーは、まさに南アのエルミタージュ

南アフリカのスワートランドを拠点とする生産者。
印象的な7つの椅子のラベルは、このワイナリーを設立したときの7名に由来。

特にエルミタージュを彷彿とさせる「シラー」がフラグシップワインとして有名。
いまでこそ生産量が増えたことと、日本の輸入量が輸入元の努力により増えたため幾分入手出来るものの、
過去は販売開始と同時に在庫がなくなるという、南アフリカの高級ワインの中でも超人気銘柄として知られています。

 

 

ポルセレインベルグ シラー

高額なのも納得、果実の凝縮感が頭一つ抜けた高品質シラー

ブーケンハーツクルーフ社の傘下にあり、ブーケンハーツクルーフとは異なる区画から生まれるシラー。
土壌はシスト。同地で「レジェンド」と呼ばれる醸造家、カーリーロウの作。

ブーケンハーツクルーフの7つの椅子シラーよりも高額で販売されており、果実の凝縮感が頭ひとつ抜けた作り。
特にエルミタージュ的なシラーの熱狂的なファンは、ブーケンハーツクルーフを飛び越えて、このワイナリーを抑えておくと良いでしょう。

 

 

ハミルトンラッセル シャルドネ

著名・名門ワイナリーの実力。樽と酸のバランス◎ 

南アフリカの沿岸部に位置する名門ワイナリー。
シャルドネとピノノワールを生産しており、安定してどのヴィンテージも高品質。

ワイン初心者の扉の筆者としましては、ここはピノノワールよりもシャルドネが良いように思います。

なお、このハミルトンラッセル出身の醸造家で現在は独立しているワイナリーもあります。

こちらのアタラクシアシャルドネはハミルトンラッセルの醸造責任者を長年勤めたケヴィン・グラント氏によるオウンレーベル。
ハミルトンラッセルよりは低価格のため、南アフリカの高品質のシャルドネ、ピノノワールを楽しみたい方はこちらから試すのも良いでしょう。

 

ヴィラフォンテ シリーズM 2004

 

ボルドー格付け匹敵の、高品質赤。

南アフリカとカリフォルニアのコラボレーションワイナリー。
マルベックを主体としたこちらの「M」は南アフリカの赤としては珍しい
2004年のバックヴィンテージが日本に輸入されています。

まさに今が飲み頃を迎えており、ブラインドで飲ませれば
ボルドーの格付け上位の生産者と見まごう出来。

1万円を超える南アフリカの中でも高級ワインではありますが、その価値は十二分に果たせるはず。
近年、ワインアドヴォケイト誌の南アフリカワイン評でも、このヴィラフォンテは南アフリカワインの生産者の中でも高得点を獲得し、上位に位置づけられています。

ワイン通が集まる際にブラインドで仕掛ければ絶対にウケるはず。

 

 

クリスタルム ピノノワール(各種)

 

南アフリカの新しい生産者として人気を博しているクリスタルム。
シャルドネ、ピノノワールを主として生産しており、一部シラーズをクリスタルムレーベルで販売。

また、ガブリエルスクルーフと呼ばれる南アフリカのワイナリーは醸造家の妻の実家であり、そこの当主もつとめています。
そちらがワイン醸造設備が充実しているため、シラーズ、カベルネフランなどはガブリエルスクルーフのレーベルで販売をしている、とかく幅広い才能を見せるのがクリスタルム。

キュヴェシネマ、マバレル、ボナファイドと呼ばれる畑違いの3つのピノノワールはいずれも高品質。
豪華な作りでブラインドで試せば「力強いタイプのブルゴーニュ」「ヴォーヌロマネ」と言う人も出てくるはず。

南アフリカのピノノワールの生産者の中でも特に人気が高く、同時に入手難でもあります。6千円を超える高級ワインの位置づけになりますが、見つけたらラッキー。

 

ストームワインズ

 

元ハミルトンラッセル醸造家のハネス・ストーム氏によるオウンレーベル。
フレダ、リッジ、イグニスの3種のピノノワールをリリース。

クリスタルムがヴォーヌロマネならば、ストームは更にエレガントな作りを印象づける作り手。
ブラインドでクリスタルム、ストームの2種を飲み比べるとより優しいのはストームワインズ。

南アフリカのトップピノノワール生産者のひとつで、必ず飲むべき南アフリカの高級ワインです。

 

 

南アフリカワインの特徴的な産地

南アフリカワインにご興味を持った方以上に、「もっと南アフリカワインを知りたい!」というマニアックな方もいらっしゃるかと思います。

最後に、南アフリカの産地別のおすすめ銘柄のご紹介です。

 

というのも、南アフリカワインでは新しい生産者が南アフリカのエリア(地域)別に増えてきています。

エリアごとの名門やおすすめワイナリー、そしてざっとした特徴も合わせて抑えておきましょう。

 

南アフリカワインの代表産地「ステレンボッシュ」とおすすめワイン

引用:https://glenellyestate.com/media/

ステレンボッシュは南アフリカワインのなかでも最も有名なワイン産地と言っても過言ではないでしょう。

南アフリカの中では比較的温暖・標準的な気候ということもあり、まさにステレンボッシュは南アフリカのスタンダードともいえるようなワイン産地です。

カベルネソーヴィニヨンやメルロ、シラーズ、ピノタージュなどの栽培が主に行われており、ボルドーブレンドが多く作られる産地はステレンボッシュ。

これに対して、ピノノワールなどの銘柄は(体感的に)少ないように思います。

 

南アフリカワイン ステレンボッシュのおすすめワイン「グレネリー」

南アフリカの名門であり、あのフランスの格付け2級 シャトーピションラランドの元オーナーが南アフリカの地でワインを手掛けている。

それがステレンボッシュの「グレネリー」です。

 

グレネリー社はかなりフランス寄りのワインメイクをしており、特にこのグレネリー エステートリザーヴというワインは、2千円ながらしっかりと硬派にまとまっているワインの一つ。

 

この下のクラスにカベルネフランやシャルドネなどもあります。いずれもコスパ◎のワインです。ぜひ触れてほしいワインと言えます。

 

南アフリカワインの代表産地「スワートランド」とおすすめワイン

スワートランドは日本語に訳すと「暑いエリア」となります。

南アフリカでは北に位置し、赤道方面に向かっていくエリアであることから南アフリカの中でも気温が高く、乾燥したエリアとなります。乾燥している分、ブドウのカビなどの病気は少なく、それゆえに比較的オーガニックやビオディナミなどを採用している生産者が見て取れます。

 

このエリアの特徴としては、南アフリカのスワートランドのワインのテロワールを表現するための団体があるという点でしょう

引用:https://swartlandindependent.co.za/

 

団体の名称は「スワートランド・インデペンデント・プロデューサーズ」直訳すると「スワートランドの独立した生産者たち」ということになります。

まず、南アフリカのスワートランドの葡萄を80%以上使い、瓶詰醸造はスワートランドで行うこと。

また、新樽の使用比率を制限し(25%以下)、ヨーロッパの樽を使うこと。

さらには特定の品種を用い、南アフリカ・スワートランドの産地の特徴を表現すること、などがあげられています。

 

エリアとしては暑い土地でありながらも、土壌の差や収穫時期を早め、エレガントなワインメイクをする生産者が多いなどスタイルは様々。

「型にはまらず、南アフリカのスワートランドという土地の表現をトコトン追及する」のが南アフリカワインのスワートランドの生産者に多く見られる特徴と言えます。

 

南アフリカワイン ステレンボッシュのおすすめワイン「マリヌー」

南アフリカのスワートランドの中でも著名ワイナリー。南アフリカ全体をとってもこのマリヌーの名をすぐ挙げる方は多いでしょう。

主にシラー品種をスワートランドの土壌別に作ったフラグシップを作るなど、南アフリカのスワートランドの表現を訴求し続ける南アフリカワインの生産者です。

 

しかしながら、筆者はその中でも「マリヌー ストローワイン」という極甘口のワインを強く強くおすすめしたいです。

ハーフボトルで5千円強の南アフリカワインですが、ブランドで飲めば「あれ?これ1万円越えのすごいやつ開けちゃったか??」と思うほどの凝縮感。

後味はフランスのソーテルヌよりもすっきりと儚げがあり、あとを追いかけたくなるような余韻が特徴的。

 

絶妙なバランスを持った南アフリカの極甘口のデザートワイン。生産量が少なく、ヴィンテージが若いのが難点ですが、ぜひまとめ買いをしておくべき生産者と言えます。

 

南アフリカワインの代表産地「エルギン」とおすすめワイン

南アフリカの中では海に近く、なおかつ山に囲まれたエリアが南アフリカのエルギン地区です。南アフリカのエルギンは、冷涼なエリアとして知られているのが特徴。

 

冷涼な気候を生かして、南アフリカワインの中でもエレガントな、繊細なワインメイクが多く見て取れます。具体的には白ワインの生産、赤ワインでもピノノワールなどを生産している生産者が多くあります。シャルドネ、リースリングなどは特に代表的な生産エリアと言えます。

南アフリカワイン エルギン地区のおすすめワイン ポールクルーバー

南アフリカワインを語るうえで、そしてエルギンという産地において代表的なワイナリーが、すでに前述でご紹介した「ポールクルーバー」です。

もともとリンゴ園から始まった、という歴史を持っているワイナリーです。それゆえか、リンゴのようなアロマをもつリースリングなども得意としています。

とにかく酸の乗り方やフレッシュな味わいが絶妙なバランスを保っており、南アフリカワインの白の実力を測ることができるでしょう。

おすすめはすでに前述の「ポールクルーバーシャルドネ」です。倍の値段級のおいしさ。ぜひとも試してみてください。

 

 

まとめ:今のうちに「南アフリカワイン」に触れるべき!!

ここまでをまとめますと

南アフリカワインはここ20年で急速に成長している

南アフリカはそもそもワイン造りには適した環境であった

特に白ワインがおすすめ。若手生産者が増えてきている。

日本でもメディアに登場する機会が増えてきて、品質が認められ始めている。

私は、世界で徐々に注目されている南アフリカのワインが日本でももっと広まればいいと感じています。

しかしながら、日本では知名度がまだ低く、多くの人がその価値にまだ気が付いていません。

是非ともまず触れてみて下さい。

品質が良くて」「安くて」「あまり知られていない」非常に魅力的な響きです

ワインのトレンドを追いたい方、南アフリカのワインに注目です。

 

この記事を監修してくれたワイン専門家

小泉 俊幸

(一社)日本ソムリエ協会認定 ソムリエ

南アフリカ専門店「アフリカー」代表取締役

 

自然をこよなく愛する元旅人。 大学卒業後、IT会社へ入社。7年間社会人経験を積み、退職後2年間かけて夫婦で海外へ。2013年帰国後、中古車輸出販売会社へ勤務し、南部アフリカ地域のマーケティング担当になる。また働きながらも自分のやりたい事はやろうと思い「旅人が集まるシェアハウス」を立ち上げる。退職後、「ワイン好き、アフリカ好き」が重なって南アフリカ専門店「アフリカー」を立ち上げる。同店の経営のほか、ワインの自社輸入、営業、広報やWEBなどを主に担当。

リンク:南アフリカ専門店 アフリカー公式WEBサイト

-ワイン初心者向け記事, 有名ワイン

Copyright© ワイン初心者の扉 , 2024 All Rights Reserved.