南アフリカワインの「サンソー」がアツい
近年ワインの中でも注目産地とされているのが、南アフリカ産のワイン。
若手生産者が増えているエリアであり、独自性のあるワインメイクを行こなっています。
南アフリカといえば「ピノタージュ」じゃないの??
南アフリカのピノタージュはなかなか難しく、良いものに巡り合うのは至難の業です。
依然として旧式のスタイルが多く、「コーヒーのような香り」「土っぽさ」が顕著に出ているように思われます。
その中で唯一成功しているのはカノンコップ社と言えるでしょう
コーヒーやチェリーの香りがし、熟成するとなめらかな味わいに変容していきます。
若いうちはボルドーを思わせるスタイルですが、熟成したピノタージュはまたかなり異なった様相を見せます。
ピノタージュの親の「サンソー」に注目が集まる
ピノタージュといえばサンソー×ピノノワールの交配品種です。
100年前、サンソーは南アフリカで最も植えられた赤ブドウとして知られています。
特に南アフリカ「スワートランド」を拠点とする生産者により
南アフリカのサンソーは独自のアプローチをされています。
端的に言えば、やや抽出は淡く、華やかな香りのアプローチ。
ピノノワール、とまでは言いませんが、
北ローヌとピノノワールを足して二で割ったような傾向と言えばよいでしょうか。
北ローヌ好き、ピノ好きの方には
ぜひ南アのトップ生産者の「サンソー」を試してほしいと思います。
また、ワインアドヴォケイト誌のアンソニーミュラー評によると
・スペインのコマンドGはグルナッシュ&サンソーで華やかなアプローチを行っている
・モルゴンのボジョレー・クリュでは、ジャン・フォイヤールのコート・デュ・ピィが南アのサンソーのトップ生産者と近しい傾向を持っている
とのことです。
ということで、南アフリカワインの中で注目の品種「サンソー」の簡易まとめです
ラール・サンソー
日本のヴィンテージは2018年。WA評は
2018年…91点
2019年…91点
と現状安定しています。ラールワインズは南アフリカの若手生産者。
数々のワイナリーでワインメイクを行っている
ドノヴァン・ラール氏によるオウンレーベルです。
他所の評価も安定しているラール。
ワインアドヴォケイト誌のアンソニーミュラー評も
このサンソーを「よりソフトなアプローチに導いている」としています。
サヴェージ・フォローザライン
南アフリカの上位生産者の一つである「サヴェージ」
かなりローヌに近い、どちらかというと抽出は「やや濃い」スタイルのワインを得意としています。
この生産者はスミレのような香りをブワッと出す傾向が強くあります。
ブラインドでも「シラーなのか、グルナッシュなのか、え、あ、サンソー??」となるくらいの感覚。
事実、サンソー93%、シラー7%など、年によってはシラーを一部混ぜるそうです。ブドウはダーリン地区。手摘み&早摘み。
いつか、触れますが、この「ダーリン」という地区が、スワートランドに匹敵するくらい良質なサンソーの産地があり、実は今後、日本にももう1生産者入ってくる予定。
北ローヌスタイルの風格あります。2019年はWA93点。
サンソーを主体として南アのワインで、WA評直近では最も高得点のワインの一つ。
クラヴァンワイン サンソー
南アフリカでは自然派に近いような位置づけであり、
抽出うすうま系のアプローチを得意とする生産者です。
2017年のサンソーは未評点。
2020年のサンソーはWA90点の評価。
ワインアドヴォケイト誌の2020年ヴィンテージも
「ハイトーン」「ラズベリーやストロベリー」「ライトからミディアムボディ」
という言葉でていますので、まぁそういうことです。
若手生産者がこの傾向強いんですよね。うすうま系のサンソー。
AAバーデンホースト ラムナグラス サンソー
南アフリカの上位生産者のひとつ。
日本人のケイジ・サトウ氏は、この生産者バーデンホーストに師事。
バーデンホーストは低単価のワインもリリースしていますが、
ミドルレンジに「ブルーラベル」そして、ごく少量の単一畑のシリーズとして「イエローラベル」シリーズをリリースしています。
ラムナグラスサンソーはAA.バーデンホースト自身の畑の1964年植樹のサンソー。
過去、バーデンホースト本人にこれらのワインの要点を聞いたことがあるのですが
「早摘み」「グラナイト(花崗岩)」「古木」とのことでした。
2017はWA92点
2018ヴィンテージはカクンと評価を落とし89点です。
今のうちに知るべき南アフリカのサンソー
注目度としては極めて低く、南アフリカワインの中でも確実にマイノリティの最先端であります。
ゆえに、輸入元も「とりま1回仕入れてみたが、今期輸入はなし」というケースが多いみたいです。
ただし、このサンソーを含め、グルナッシュ、カリニャン等を用いた、華やかで薄旨系のワインは南アのトレンドの一角となると思います。
一度は試してほしい南アの最先端カテゴリです。